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FEWC BLOG(旧SGHを含む)

視聴覚 令和5年度 FEWC全校成果発表会

学年 氏名 テーマ
1年 小林 琢磨

前橋市を豊かで住み続けられる市にするために
~ 子育て支援から少子高齢化問題の解決に向けて~

 2年  佐藤  旬 海なし県で新鮮な海の幸を
~「新技術」×「キャベツ」 群馬で陸上養殖~
 3年  高岩 七菜 公衆トイレから始める治安維持
~快適さと安全性の両立~
 4年  根岸  実花 Hydro Network
~途上国の農業生産性を上げるには~
 5年  須田 祐梨菜 Removing National Borders with Technology
~An effort to make a world where everyone has fair access to medical care~

 

ジュネーブ国連研修


とても内容の濃い1週間でした。ドバイで乗り継ぎ1日かけてスイスに行くだけでも機内や空港で英語を使ったり他文化を目で見て感じたり吸収するものが多かったと思います。現地では、CERN や赤十字博物館、多くの国連機関を訪問でき、初めてみた展示や初めて知った事実に驚き、興味を刺激されました。特に、4日目以降に訪れた ILO、UNHCR、WHO では、実際の会議室で席に着くことを許され、最前線で働く職員の方によるレクチャー受けることができ、本当に貴重な経験となりました。現地で働く方々の生の声を聴くということは、将来に悩む私達にとって確実に、自分の夢に向かうヒントとなり、また世界のリーダー達の活躍する舞台を実感できました。観光の面でも、ガイドの方、添乗員さんに様々な情報を教えていただき、フランス語のわからない私達は何度も助けられました。また、自由で歴史の古いジュネーブという街が、様々な国の人や文化を受け入れ、中立国という立場で世界大戦前から世界的に特別な場所であったことを肌で感じました。欧州本部やその他の機関がこの街で設立されたのも、然なことだったと今ようやくわかった気がします。また、現地に行くまでに学習したことと、現地で自分の目で見て感じ聞いたことにはやはり大きな違いがありました。これまでの自分がいかにインターネットの文章だけで満足していたのかを考えさせられ、直接見聞きしたことの測れない価値と胸に響くものがあることを知りました。個人的には中等入学以前から待ち望んでいた1週間でしたが、その自分の期待を遥かに超える経験となり、本当にこの貴重な機会を作ってくださった先生方や家族には感謝しかありません。現地で得た情報や、経験を通して考えたことを、研修に参加できなかった生徒のぶんまで学校生活や、将来の学びに生かせるよう今後も努力し続けたいと思います。英語学習には今後もっと力を入れ、将来何がしたいのかを自分で考えて行動し、成⾧してからもう一度素敵なジュネーブという街を訪れることができるよう頑張りたいと思います。日本から遠く離れたヨーロッパの街を自分で歩くだけでも日本と違う国であることを体感でき、私達は世界の広さをつきつけられました。言語の壁や文化の違い、何より「日本じゃない」ということによる多少のハプニングを経験しながらも、友達と1つずつ乗り越えられた短くも⾧かった1週間でした。(4年生)

今回の研修を通して不便に思ったことはありませんでした。たくさんのあこがれの現場で働いている方々のお話を直接聞けたことがとてもよかったです。特に ILO 職員の方々と一緒の夕食は隣の席に座っていただいて一対一で話ができました。CERN や国連欧州本部や赤十字博物館の見学よりも小島晶子様のレクチャーや ILO と UNHCR の職員の方のお話が印象深かったです。二日間公共交通機関をつかっての移動がありましたが、バスの料金のシステムが日本と違うのがおもしろかったです。私事ですが、ILO の方々との夕食の場所に行く途中で熱中症で倒れている子供がすぐ近くにいて、母親が何を言っているかわからなかったですが叫んでいたところにすぐに助けにいってやれずに救助されるところを見ているしかなかったことが直前に国連に行っていたこともあってとても悔しかったし、情けなかったです。二度としません。今回の研修を通して学んだことはたくさんありました。お世話になった方々には感謝しています。(4年生)



私の小さい頃の夢は国連の職員になることで小さい子供を救いたいと思っていましたが、条約などの根本的なものではなく直接救いたいと思っていたので国連職員は自然と選択肢から消えていました。ただ、今回 UNHCR を訪れた際に UNHCR だけは職員の 90%がフィールドワークということを知り、将来についてもう一度考えるきっかけになりました。また、食事会などで進路のこと、将来のことなど深いお話が沢山出来ました。将来どういう進路についた方が海外に出やすいのか国連の職員になりやすいのか、仕事の話、家庭の話、どれもタメになるものばかりで興味深かったです。(4年生)

普段行くことのできないような国連機関などに立ち入って、実際に働いている方のお話を伺えるのは今後の進路を考える重要な機会になりました。また、日本ではない国に行くことで日本とは違う価値観を感じることができて、視野が広がったと感じました。特に ILO で働く日本の職員の方々の経歴や考え方を聞いて、進路について具体的に考える必要性や、語学力を高めたいと強く思いました。横断歩道が黄色だったり、電動スクーターの乗り捨てができたり、路面電車が走っていたり、日本とは違う文化を感じました。田口さんや加瀬さん、旅行会社の方や、先生、家族などたくさんの方の協力のおかげで楽しい思い出を作ることができました。このような良い学びの場を提供していただけて良かったです。本当にありがとうございました。(4年生)

まず今回の研修の個人的な目標として、やりたいことを見つけることでした。実際に行ってみて、世界で活躍する日本人の方々の話を聞いて、自分の知らない生き方が無数にある中で今制限する必要はないのではないかと感じました。無知を知ることで不要な不安が消え去ったように思います。また、遠い世界だった「国連」という漠然的なイメージが可視化されました。程遠い位置にあることに変わりはありませんが、直接的な経験を得れたことに嬉しく思います。そんな経験を通して、短い間ですが成⾧できたことがあります。例えば積極的に挑戦するとチャンスが巡ってくることを肌で感じました。逆に言うと、やってみないと何も無いということです。挑戦は不安を伴いますが、踏み込んだ質問をしてみたり英語で話しかけてみたりして、新しい発見や出会いを得られました。これからの生活でもこの心意気を継続していきたいです。(4年生)

僕はこの研修の前までは正直国連職員を志すということを考えたことはなく、さらには国連職員ってなに?というレベルであったが、実際に働く人々の話を聞き、詳しいレクチャー受けたことですごく興味が湧き、真剣に考える候補になった。また、今まで国連職員は文系を選んだ人の仕事という固定概念があったが、理系でも統計学や WHO の職員など様々な職種があるということがわかって新たな視点を得ることができたなと思いました。(4年生)

今回の研修で一番大きく感じたのは、場所によっては、英語だけでも生活できないところがあり、英語一辺倒になりすぎてしまっても良くないということを感じました。今回はフランスやフランスに近い地域での生活が多かったため、英語よりもフランス語での会話が多く、英語があまり通じないのを見て、日本の視点で世界を見すぎていることに気づき、世界の広さを実感しました。また、国連の方に個人で質問をすることもできるため、自分の夢についての質問をしっかりと聞くことができて、悩んでいた国連関係で働くときに歴史を専門にしても働けるのかなど、自分の将来を形作る上で大切な転換点となったと思いました。(3年生)

この研修を振り返り、学んだことは、主に小島様のレクチャーや国連職員の方々との交流を通じて様々な制度(JPO制度など)の詳細な情報などの国連への就職の方法と国連職員の方々がどのような経歴ややりがい、国連の魅力と欠点、国連にいる目的などを直接伺えました。国連に入ることが目的で頑張る方だけでなく、自分の別の目標をかなえるため手段として国連にいる方、様々な流れやご縁で国連にいる方など様々な方がいました。将来の選択肢が広がりました。また、前半のアヌシー観光やジュネーブ旧市街散策などを通じてヨーロッパの美しい街並みや自然を見れてそれもとても印象に残っています。世界は広いとも思いました。(3年生)

初めてスイスに行ってみて、国連の職員の方や友達などからたくさんの刺激や薫陶を受けました。
国連の専門機関については、今まで何の機関なのかということしか知らなかったので、詳しい仕事内容や行っている活動、仕事の様子などが知れてよかったです。私の中で一番印象に残っているのは、国連本部の会議が開催される場所に行って実際に席に座らせてもらったことです。いつもテレビや教科書などで見ているところにまさか自分が座れるとは思っていなくてとても嬉しかったです。今回の研修は、とても価値の高い旅行で、行くことができて本当に良かったです。(3年生)



もともと CERN に非常に興味があり、展示施設でその仕組を詳しく知ることができてよかった。事前学習を頑張っていたため、英語の説明も大方理解でき、良い時間になった。パレ・デ・ナシオンでは、議場の席に座るなどとても興味深い経験ができた。ILO 職員の方に積極的に質問するなど、有意義な時間となった。その一方で、アヌシーやジュネーブの旧市街では、路上にコインを入れる入れ物をおいて、小さな男性がギターを弾いていたり、体にペイントした男性がまるで本物の銅像のように座っていたり、愛の橋の上でおばあさんがコインを待って座っていたりと、「裏の面」もよく見ることができ、世界のもう一つの意味での「広さ」を体感できた。(3年生)

FEWC課題研究発表会

Name Theme Sub-Theme
Lisa Tanaka The Method to Get Japan to Accept More Refugees Community Kitchen for Foreigners and Local People
Aika Koyama Think about What the United Nations Can Do against War Learn from Russia's Invasion to Ukraine
Juna Suda Current Status and Challenge of Refugee Receiving To Realize Enhanced Assistance for Evacuees
Haruno Fukazawa Let's Try Ramadan Give the Opportunity to Know about Muslims
Ai Sakamoto Making Japan More Muslim-Friendly Halal-compliant Restaurants with a New Perspective
Asuka Yokohama How to Contribute to SDGs All Over the World Learn from Northern European Countries
Yusa Miyazawa How to Make a Profit in the Current Economic Situation Think from The Price Increases at 100 yen Stores
Fumika Naganuma The Usefulness of Secondhand Clothing and Sharing Clothing Reduce the Environmental Impact of the Apparel Industry

視聴覚 令和3年度 FEWC全校成果発表会

5427 田中 里采 The Relationship Between City Structure and Car Dependence-Estimating the Impact of Compact Plus Network by Using Indicators-

4218 浅井 優里 食で繋がる ~健康増進と食品ロス改善~

3303 梅澤 琉斗 米を食べる ~米粉の秘めた可能性~

2319 菊地 翔子 群馬の持続可能な酪農 ~飼料自給率を上げるために~

1426 中島 美咲 Welcome玉村計画2021 ~玉村町の人と一緒になった街づくり~

FEWC(フューク)の概要イメージ

2019年度より、SGH(スーパーグローバル・ハイスクール)の後継として実践している、本校独自の教育プログラム『FEWC(フューク、地球市民育成のための開拓的教育)』の概要です。PDFダウンロードはこちらです

 

FREAT: 食物アレルギー患者のWebサービスの開発

◯研究の概要

 食物アレルギー患者のためのグルメサイト「FREAT」を開発している。Web上で動作するサービスである。この事業は、食物アレルギー患者が持つ外食する際に行ける飲食店が見つからないという課題を解決するために存在している。この課題に対するソリューションとして、FREATはアレルギー患者と患者のコミュニティ、飲食店の3つのプレイヤーをベースにした、新しいアレルギー患者の外食に特化した情報収集・提供手段を持っている。

 現在は、CMF(Customer Market Fit)を、患者本人やお店にヒアリングをしながら検証している。検証は主に、仮説を立てる、ヒアリング、分析という3つのプロセスを1サイクルとして実施。現在は、アレルギー対応に取り組む飲食店やアレルギー患者、患者のコミュニティを中心にヒアリングを行っている。また、医師や管理栄養士などのその分野の専門家からも情報を得ている。

 これをもとに考えたFREATのバリュープロポジションは以下の3点である。

本サービスは、人に教えてもらう感覚を提供することができる。アレルギー患者の飲食店へのタッチポイントは、圧倒的に人、とりわけ同じアレルギー患者との会話が多い。既存の飲食店情報サービスでは、豊富なデータベースを活用した情報提供がなされるが、アレルギー患者にも求められるUXは、質問すれば答えが返ってくるというような、人と人との会話のような感覚であると考える。2つ目は、本サービスが持つ新しい情報収集メソッドだ。患者のコミュニティには飲食店の情報が散在しているが、それがオープンな形で集約されていない。コミュニティ外部のユーザーの質問によって、これらの情報を引き出すことができる。ユーザーが該当地域にあるコミュニティに飲食店に関する質問(リクエスト)を送信することで、コミュニティのメンバーから回答(飲食店の情報)が得られる。そして、その回答に使用された飲食店の情報を自動でデータベース化することで、サイト上に情報を蓄積する。コミュニケーションの裏で情報の集約、蓄積を行う仕組みを持っている。3つ目に、患者同士のコミュニケーションの場として活用できる。既存のコミュニケーションツールで実施されているコミュニティにおける患者同士の交流を代替する場である。今後は、自分の住む地域においてクローズドにファンを生み出し、巻き込み、モデルケースとしてサービスの有効性を実証する。それをもとに、多様な地域にスケールアウトしていく考えだ。

4学年代表発表 (Global Studies II): グローバルビジネス

1 動機 
グローバルビジネスに関する講義を受け、さらに、それに必要な人材についての講義を受け、グローバルビジネスでは様々な課題があることが分かった。そこで、現在、群馬県のグローバル企業に求められる制度や人材は何かに興味を持ったため、群馬県の強みを生かしたグローバル展開で想定される課題を解決する制度や人材育成について考えようと思った。

 2 目的 
群馬県内の企業が海外進出を目指しグローバルビジネスを行う際には様々な問題があることが講義を通して分かった。しかし既存の事業の課題を調べるのは難しいと考え、新たに群馬県の強みを生かしたグローバルビジネスを考え、想定される課題を考える。そのうえで、課題解決のためには、どのような支援・制度が必要か、求められるのはどのような人材かを考え、群馬県内でそれらの課題の解決を支援する新たな企業を考えることを最終目標とする。

3方法 
はじめに、群馬県内でグローバルビジネスを行うときにどのような事業を行うべきかを考える。そこで想定される課題を取り上げ、どのような支援が必要かを考える。
 
手段として、県内のグローバル企業へのインタビューを行い、実際に必要な県内の体制・基盤などについて情報を集める。インターネット上の企業へのアンケート調査から、求められている人材や制度についても調べる。 

4研究の成果と課題 
 群馬県では農業が盛んにおこなわれていること、また、海外では日本食の人気が高まっていることから、群馬県産の食品販売を事業として行うことを考えた。また、健康意識や安全意識の高まり、付加価値を考え、オーガニック食品に着目した。 
 オーガニック食品市場の世界第一位、第二位であるアメリカとドイツでは、安全性や健康への意識の高まりで、需要が増加していることが分かった。ドイツでは専門店が増加するとともに大手スーパーでも販売が始まっており、また、都市部では海外の食に対する興味もあるという。アメリカではすでに浸透しており、スーパーで販売するノウハウが蓄積されている。 
 情報をふまえ、グローバルビジネスを支援する体制として、まず海外に拠点となるレストランを設置することを提案する。現地のニーズの把握やレストランでの実際の販売を行い、知名度向上とともに連携強化を図る。次に、安全性などを示すため、共通のマークをつくる。消費者に適切に情報をインターネットでも配信し、手に取ってもらえるようアピールしていくことが必要であると考えた。最後に、これらのことをより効率的に行うために、第六次産業化を提案する。農家で生産する段階から販売までの管理を行い、目的に合わせた生産を可能にすることができる。群馬県からオーガニック食品を販売するグローバルビジネスの支援として、生産から販売までを担う新しい企業の設立を提案する。 

5参考文献  
<http://www.daiwa-pharm.com/info/world/7629/>
「農林水産省」(2017.11.6)   
<http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/service/pdf/150828-01.pdf>
「世界2大オーガニック市場、米国とドイツで日本食品に特化した商談会を開催」 
ジェトロ(日本貿易振興機構)(2017.9.6) 
<https://www.jetro.go.jp/news/releases/2017/3f3eb33c96224d3e.html>
 
 

5学年代表発表 (Global Studies III): 多文化理解を目指す教育

○研究の概要 
 「異文化理解」や「多文化共生」とは、文化の違いを認め、互いに尊重理解しようとする態度のことである。情報や人的物的交流が盛んになり、企業の海外での経済活動が加速するなど他の文化に接することが避けられない時代となった今、多文化、多様性の中での相互理解の必要性が唱えられる。このような現状を受けて私たちは、世界の人々の異文化理解をより促すためにできることを、教育の面から考えた。現在小中学校の国語の教科書で扱われる作品の原著発行国は限られている。日本人が世界に取り残されないよう、異文化への理解を得るためには固守的にならず新しい考え方を取り入れるべきだと考えた。そこで私たちは今回、それぞれ異なる複数の文化を経験している移民作家の文学を義務教育の国語学習に導入することを提案する。 
 移民文学の特徴とその教育への活用のメリットについて教えて頂くため、7月26日に立教大学異文化コミュニケーション学部、浜崎桂子教授のもとへ訪問した。移民文学に特有に表現されるものとして、2か国以上の文化を知っているからこその作者の悩み、日本語への異なる見方、個人の目線から見た文化の融合する様子などがある。訪問後、私たちは紹介を受けたうち4人の移民作家、ドイツへ移り住んだ多和田葉子さん、アメリカから日本へ渡ったリービ英雄さん、台湾出身の温(おん)又(ゆう)柔(じゅう)さん、在日韓国人の柳(ゆう)美里(みり)さんの作品を読んだ。言語をひとつの足掛かりに、複数の文化的価値観を考察したり、主人公が自らのアイデンティティを見つめなおす様子を描いたりしている内容で、生徒たちが多文化を知りまた生き方を考える参考になるだろうと考えた。実際読んでみると、作者の生い立ち等も並行して学んだほうが効果的と思われる文章だったので、最終的にそれぞれ一部分を抜粋し、小学校高学年から中学生向けの教科書の章として導入を提案した。
○今後の課題
 引用した作品の一部を実際に対象の小中学生に読んでもらい感想を聞き、そこからより良い教科書にするための修正をしたいと考えている。今回は小学校高学年と中学生向けへの提案に留まってしまったため、今後、ストーリーをかみ砕いて絵本にするなどの工夫をしたり小さい子でも分かりやすい物語を探したりして、小学校低・中学年への提案も行いたい。また、日本以外の国々の教科書を調査し、原著発行国や作者の出身国の多様性とその国の人々の他文化への理解度との相関性を考察することで、教科書を改善することの有効性をより確かなものとしたい。

3学年代表発表 (Global Studies I): 清潔な水と衛生(国連のSDG #6)

概要
発展途上国に対する安全なトイレの供給方法を提案することを目的に研究を行った。(尚、第三学年WC科の最終目的は研究計画の作成であるため、この研究は計画と成果までの導入で終了している。)まず事前学習として、現在発展途上国では多くの人が屋外排泄を行っており、それにより「登校に負担がかかる」「体調不良になりやすい」などの深刻な問題を引き起こすということから、トイレ問題解決の必要性を確認した。研究の成果として、問題解決策の提案までのプロセスを踏んで研究を進めいくと、トイレを普及するための課題として資金不足、技術不足、資金不足が挙げられた。そこで私たちはpeepoopleという企業が開発している携帯用トイレを参考にして、日本国内企業の社会貢献活動の一環として、国際的慈善団体と協力した発展途上国への資金・技術支援により、現地での携帯用トイレの生産・消費を促すという解決策を提案する。さらに、この事業による現地の経済活性化を図ることで、将来的には水問題の解決による水洗トイレの設置を目指す。

1学年代表発表 (Multi-Cultures I): 日本の伝統建築

○研究の概要
長持ちしない現代住宅の環境への影響が懸念される中、日本の伝統的な古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば15年で100万軒も減少したそうだ。これを知り伝統建築について興味を持った私たちは世界の伝統建築を調査した。その結果まずその土地の自然を生かした建築はその土地で暮らす上で非常に過ごしやすいという事がわかった。加えて各地の気候に合った建築をしていて熱帯のインドでは大理石、カンボジアでは高床住居、乾燥帯のサハラ砂漠では土壁、冷帯のノルウェーでは草屋根を作っていた。それならば日本も気候に合った建築をしなくてはいけない。日本は、夏は湿度が高く冬は乾燥している。つまり湿度管理が重要になるのだ。古民家の木には湿度を保つ効果があることも林野庁の研究によりわかっている。私たちは古民家を大切にしていかなければいけないのだ。また古民家の「木炭」という知恵を現代住宅に応用することで寿命増加を見込むことができる。

〇研究の背景
Problem(問題の発見)
国土交通省によれば日本の家の寿命はイギリスやアメリカに比べて半分以下であるということがわかった。これは日本の現代住宅は気密性が高く冬でも温かい代わりに湿度が溜まりやすく木が早く悪くなってしまうことが原因だ。その一方日本の古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば10年間で100万軒減少していて日本の住宅は今大きな問題を抱えていることがわかった。
Plan(研究の計画)
伝統建築とはどのような物でどのような良さがあるのか、またその伝統建築の知恵などを調べ現代住宅に活かせないかどうか文献やWEBサイトなどで調査した。
Data(データの収集)
国(気候帯別)ごとにまとめた。日本 木をふんだんに使用。床下に木炭を埋めたり風通しを良くしたりする湿度対策。インド・カンボジア 大理石や高床住居などで暑さへの対策を強化。サハラ砂漠 土壁を用いて耐震性能、耐火性能、気温や湿度の調節などを行っていた。ノルウェー 保温性、放熱性の両方を生かし一年を通じて暮らしやすくしていた。
Analysis(分析)
各国では気候に合った建築を行っており日本も湿度調節にすぐれた家に住まなければいけないと分かった。また、その土地にある自然を利用した住居はその土地で暮らす上でとても優れていると分かった。そして日本の木は湿度調節に優れていることも分かった。
Conclusion(結論)
日本の古民家は日本で暮らす上で非常に優れていることからこれ以上減らしてはいけないという事がわかった。古民家に興味を持ち大切にしていかなければいけない。そして日本の古民家の知恵を現代住宅に活かせることが分かった。古民家に使われていた木炭は炭活用研究会によれば調湿作用に優れている。木炭を使って湿度が溜まりやすい現代の住宅の問題を克服すれば寿命を延ばすことができるので、環境にやさしいといえる。昔のように床下に埋めることは難しいが、複数のWEBサイトによれば部屋の四隅に置くだけでも効果があるという。それが本当なのか今後の課題としてこれからも研究を進めていきたい。

Encouragement of the Practical Use of Fishery in Developing Countries

Abstract
This paper reviews what we could do especially in the fishing industry to promote economic growth in developing countries. First of all, we have to check 49 developing countries to see if they satisfy conditions that are necessary for commercial fishing. We look at them from the aspect of topography, military situations, environment and religion. Then, three countries are selected based on the prerequisites. Thirdly, we discuss the present situations of fishing in the nations selected. Main problems of the existing industry in these areas are related to transporting and exporting. Finally, new ideas are offered to the countries referring to preferable transportation and sales process.

1 IntroductionThese days, the concern about foreign aid has risen as poverty and economic gaps between nations have been considered serious problems. In this paper, I have considered what we could do to boost income from commercial fishing to promote economic growth in developing countries. First, I chose three countries, each of which fulfills the conditions below.a) GDP is under the standard of $992 per person decided in the United Nations in 2012.b) It is capable of fishing. I made three prerequisites on my own.-faces a sea-does not have any outstanding war, natural disasters or infectious diseases-has comparatively few religious taboo against seafood. The countries selected are Guinea-Bissau, Madagascar, and Togo.
2 Discussion and Implications
(1)Guinea-Bissau:
Fishery is one of the country’s key industries. They have a good catch of prawns and squids.  However, their main force is small-scale, individual fishing.  The seafood they catch is usually not much processed, and only 23 tons of their products are sold outside of the fishing villages.   

(2)Madagascar
Madagascar produces black tiger prawns.  An exporting company called Unima, which conducts prawn production in an environmentally friendly way, supplies 7,500 tons of prawns per year.  
In most of the native communities, fishermen rely on commission merchants to collect fish and to manage business because their access to the market is limited.  However, products are purchased at low prices by the commission merchants. 

(3)Togo
About 25,000 tons of seafood is in production every year.  The country’s seafood self-sufficiency rate is 40%, and 37,000 tons of seafood is imported a year.  Lome port, the only fishing port of the country has been required to move since 2011 due to an expansion of a commercial port.  The port has been facing problems such as boat accidents in the crowded harbor, and lack of equipment for inspecting sanitation.

3 Conclusion
A: suggestions for domestic activities 
(1)Guinea-Bissau
It seems essential to develop the distribution system.  Live fish trucking could be an appropriate method worth spreading.  This method is suited for small-sized aquatic animals including Guinea-Bissau's main commodities, prawns and squids.  Using water tanks is comparatively low cost than introducing refrigerating technology.

(2) Madagascar
  a: Development of the distribution system is needed.      
First, the wholesale market should be prepared.  According to Japan Yoshoku Association, the wholesale market is quote "where trade is taken place under the open and fair running principles" unquote.  Wholesaling will directly solve the problem of unfair trading in many communities.
Second, for now, marine transportation will contribute to the smoother distribution.  Taking an advantage of it being an island, Madagascar can benefit from this ship delivery system effectively.  One of the country’s prioritized targets shows that progress in the field of conveyance is required.  Using sea routs instead of roads must be a fast solution at present.  In the near future, thinking of exporting more products abroad, we should also improve land transportation to connect coastal villages and the inland Ivato Airport, the chief international airport.
  b: Increasing the variety of fish they catch can expand their business and can prevent extinction of particular species.  Sea animals which can be caught with the same trawls as the ones for catching prawns may serve as good targets. 

(3)Togo
A maintenance project has already been carried out by some organizations.  The report on preparation research by JICA and Fisheries Engineering Co., Ltd was published in 2016.  This project is so well organized that the existing assistance seems to be enough for the time being.

2: the potential for export to Japan
Japan will be able to support Madagascar's industrial development through increasing consumption of black tiger prawns and through expecting this country to be a favorable eel producing district.  Now, Japan depends on south-east Asia for shrimps and prawns.   Trading with other stable producer is surely beneficial for Japan.  In fact, in 2013, Japan faced a shrimp shortage due to the spread of a disease among vannamei shrimps in Asia and the increased demand from other countries.  Finding a habitat of wild eels can be meaningful as there is a great demand for eels here in Japan.

4 References
「世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) - Global Note」 
<www.globalnote.jp/post-1339.html> 
 「外務省 - Ministry of Foreign Affairs of Japan」 
<www.mofa.go.jp/mofaj/area>  
「漁民リーダー育成・零細漁業組織強化プロジェクト- JICA」 
<www.jica.go.jp/senegal/office/activities/program/04/01.html>  (2016.12.06) 
<jp.ndish.com/world/Senegal>   (主に2017.1.10) 
「[PDF]多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル国土交通省」 
<www.mlit.go.jp/common/000059429.pdf>   (2017.1.10) 
「外務省: わかる!国際情勢 Vol.19 アフリカにおける紛争」 
<www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol19>   (2017.1.17) 
「『えび類』 - 都道府県市区町村|データと雑学で遊ぼう!」 
<uub.jp/pdr/fi/eb.html>   (2017.1.29) 
「ガンバ、マダガスカルの海老・レッドラベル、ユニマ、養殖業」 
<www.unima.com/page_peche.php?lg=jp>   (2017.1.29) 
「マダガスカルの先住民漁業ーMARE会議に出席して | Nereus」 
<www.nereusprogram.org/ja/madagascar-indigenous-fisheries>  (2017.1.29) 
「[PDF][39] マダガスカル - Ministry of Foreign Affairs of Japan」 
<www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/08_databook>   (2017.1.29) 
「水産庁/(3)水産物流通・加工をめぐる動き」 
<www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h21_>  (2017.1.29) 
「養殖魚の主な流通経路」 
<www.yoshoku.or.jp/02howto/ryutsu>  (2017.1.29) 
「ギニアビサウ/小規模漁業振興計画」 
<www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu>  (2017.1.29) 
「[PDF]世界漁業・養殖業白書 2012年」 
<www.fao.org/icatalog/inter-e.htm>  (2017.1.31)  
「[PDF]トーゴ国 ロメ漁港整備計画 準備調査報告書 簡易製本版」 
<open_jicareport.jica.go.jp/pdf/12262747_01.pdf> (2017.9.5) 
「世界的なエビ不足なぜ起きた カキでも同じ問題|フード・レストラン」 
<https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK1002O_Q4A110C1000000?channel> 
(2017.9.12) 
「ニチレイフレッシュ 水産品 - こだわり素材開発ストーリー マダガスルージュ」
 <http://www.nichireifresh.co.jp/fish/story/madagas.html>      (2017.10.17) 
「貿易コンサルタント - マダガスカルメディアサービス」
<https://www.madagascar-ms.com/貿易コンサルタント>      (2017.10.17) 
金萬智男・三好かやの「私、海の漁師になりました。就業ナビ&成功事例」 新光社 
ブリタニカ国際百科事典 百科事典マイペディア 旺文社世界史事典

地球市民育成プロジェクト 各学年代表の研究レジュメ





SGH講演会

 講師 瀬谷ルミ子 氏 紹介 群馬県桐生市生まれ。群馬県立前橋女子高等学校、中央大学総合政策学部卒業。イギリス ブラッドフォード大学紛争解決学修士課程修了。 現在、認定NPO法人日本紛争予防センター(JCCP)理事長、JCCP M株式会社取締役。ルワンダ、アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワールなどで、国連PKO、外務省、NGOの職員として勤務。2007年よりJCCP事務局長として、ソマリア、南スーダン、アジア地域などの事業を統括。2013年より同理事長に就任、同時にアフリカをはじめとする途上国への日本企業進出の支援を行うJCCP M株式会社を設立。 専門は紛争後の復興、平和構築、治安改善、兵士の武装解除・動員解除・社会再統合(DDR)など。2011年Newsweek日本版「世界が尊敬する日本人25人」、2015年イギリス政府による「International Leaders Programme 」に選出される。





 紛争という言葉を聞くと国同士の争いの中に武装集団が武器を持って戦うというイメージがとても強かったが、実際はそれほど大きなものではなく、兄弟間、親子間、友達間で発生するような意見の食い違いも紛争と呼ばれ、それが大きくなり間に人や国が入っていても解決できないものが悪い紛争と呼ばれることに驚いた。
 戦争を始めた国のトップ同士がメディアの前で和平同意の書類にサインをしているところは見たことがあるが、その国の後のことや昨日まで戦っていた兵士たちのことは考えたこともなかったし、メディアでも報道されているところは見たことがないので、いかに日本の報道に偏りがあるかや自分のニュースをはじめとするメディアに対して受け身だったかを痛感した。
 知らない間に世界では様々な紛争が始まっては終わることを繰り返しており、死亡者数難民避難民がどんどん増えていることに恐怖と驚きを感じた。まずは受け身であることから抜け出さない限り正しい世界の状況は分からないということだった。


 武力による紛争において、解決すべき課題は、紛争を終わらせること、国際社会でいう国と国がメディアの前で仲良く握手することだと思っていた。しかし、紛争による被害はその後にもたくさん転がっているのだと気づかされた。例えば、紛争中兵士として生活を成り立たせていた人々の社会復帰。このための支援を武装解除という。私はこの働きについて全く知らなかった。そして「紛争」というたった二文字の言葉の中にどれほど辛く苦しい思いをしている人々がいるのかととても悲しくなった。それだけではない。紛争における加害者と被害者の関係、難民、子供兵。あまりの課題の多さに目の前が真っ暗になる。
 しかし、これも私の中で誤解があった。すべてがすべて悪い方向に進んでいる訳ではないのだ。シエラレオネでは課題解決に向けた取り組みの成果が出て最近20年は紛争のない平和な日々が続いている。メディアの恐ろしさを感じた。
 平和は先進国の支援だけでは実現しない。民族間の協力はもちろん、自立を促すことが必要だ。私は将来国際協力に関わりたいと思っている。そのために、まずは自分で行動し、興味を広げていきたいと思う。


 以前瀬谷さんの本を読ませていただいていて、尊敬していたので、今日はお話が聞けてうれしかったです。知っていた内容もいくつかありましたが、また新しいことも知れたので良かったなと思います。そして何といっても印象に残ったのが瀬谷さんの優しい物腰や話し方です。紛争地でもその話し方を使って平和構築への話し合いをしているかと思うとすごいなと心からつくづく思います。「自分の存在がなくても大丈夫になったとき、一番仕事のやりがいを感じる」という言葉がとても心に残りました。自己中心的に考えるのではく、本当に紛争地を思って仕事されている姿が本当にかっこいいと思います。
 小さなことからでも1歩踏み出すことが大切ということを忘れずに、これからも自分の夢に向かって頑張っていこうと思います。貴重な講演本当にありがとうございました。


 今回の講演を聞いてまずは「紛争」について考えることができました。紛争は私たちも経験したことのあるケンカを広い意味でいうものだということに驚きました。それがうまくまとまらず暴力、武力につながったとき、ニュースなどで見る“悪い戦争”になると分かりました。日本はいま平和が戦後から73年間続いていますが世界(特に中東、アフリカ)では、戦争が550~600くらい起きていて私も目をそむけてはいけないと感じました。紛争を解決するために、また平和を築くためには対立している人々の和解がカギだと分かりました。でも人間には、様々な感情もあり和解させるのはとても難しく、思考することが大切だと思いました。世界で多数の戦争が起きていて目をそむけてはいけないと思いましたが、実際私にはどうすれば良いのかははっきり分かりません。でも、だからといって紛争を見て見ぬふりはせず、国際問題として自分の中にとどめておきたいです。また、瀬谷先生の進路について聞いて、私も今何をしたいのかよく分かっていないのでちゃんと考えなければいけないと強く思いました。「私には人生を自由に切り開く権利をもっていて、その選択には期限がある。」という言葉は忘れずにしたいです。もし、興味をもったことややりたいことが見つかったら、すぐに調べてそのチャンス1回1回を大事にしたいです。今回の講義は地球市民としての世界平和を築こうとする意志と自分に与えられた将来を切り開くチャンスの大切さを知ることができ良かったと思います。


 私は今まで「紛争」が起きていることは知っていたが、正直他人事みたいに考えていたので、今回の話を聞いて少し自分のこととして興味をもてた。まず、紛争というのが複数の人の間の意見の違いによる争いで私たちも経験していて、でもその小さな争いが発展してしまって大きな紛争になってしまったと初めて知った。授業や課題で食料などの支援も大事だが、現地の人への技術の伝承や人材の育成など継続できる支援をすること(ESD的)が大事だと知っていたので同じだと思った。また、紛争により亡くなった人の具体的な数値や現地の写真を見て改めて紛争のひどさを感じた。講師の方も私たちと同じような1人の学生で、でも自分のやりたいことを押し進めて諦めなければどんなすごいことでもできると分かった。与えられる情報をそのまま受け止めるのではなく「自分から知る」ことが大切だと分かった。将来のために、今から自分の興味のあることややりたいことを少しずつでも考えてそれを実現するためにやるべきことを知り、できることから実行してゆくことで自分の人生を切り開いていけることが分かった。決まっている道がなければ諦めるのではなく、自分でつくっていくという発想で考えていきたいと思った。