群馬県立中央中等教育学校
Gunma Prefectural Chuo Secondary School
群馬県立中央中等教育学校
Gunma Prefectural Chuo Secondary School
戦争が終結してから70年余り、私の祖父も終戦から数年後に生まれた戦後生まれで、私の家には戦争を本当に知っている者は誰もいない。私も、戦争をテーマにしたテレビドラマを見たことがあり、どこの戦いで勝った・負けたは多少知っていたけれど、徴兵されずに町で暮らしていた人や、夫を徴兵されてしまった母子たちがこの戦争をどんな風に思ってどんな風に生きたのかということはまったく知らなかった。「東京大空襲3・10」を見て、軍部や政府が始めた戦争に巻き込まれたのにも関わらず、思想を強要され、情報を統制され、乏しい食料で生活した人々の息苦しさが伝わってきた。爆弾が東京の下町に落とされて、人々が逃げ惑う姿はとても残酷だった。しかし、その中でも、お互い助け合いながら生きようとする人々の心は、とても美しいと思った。そして、そんな心を持った人々が何十、何百万人も殺されたかと思うと、戦争というものが絶対に起こってはいけないものだと感じた。私は、この演劇を見て、戦争を起こしてはいけないという考えや、一人の人間の命の価値が最高のものであると考える感覚がもっともっと世界中に広がっていってほしいと思った。 最後に、テレビやドラマや映画と比べて、セットも人も大規模ではないにも関わらず、場面が変わると空気がガラリと変わり、ステージから遠く離れた場所の私の席にもその空気がひしひしと伝わってくるこの演劇に圧倒されました。素晴らしい演劇を本当にありがとうございました。(2年)
私は今回初めて演劇というものを観させていただきましたが、そこからテレビや本などとは違った別の世界観、迫力を強く感じました。また、役者さんがその人物に完全になりきって演じていたのを観て、とても感激し強い憧れを抱きました。 観劇し終わって、二つの強く心に残るものがありました。一つは、劇が始まってからすぐは少し滑稽味を感じさせる雰囲気があったのにもかかわらず、クライマックスシーンではその場で実際に見ているようなジーンと心に迫る演技や展開で観客を感動させていたことです。もう一つは、「失って気付く大切さがある」ということです。日々の生活の中の些細なことをはじめとして人の命、平和など、非常事態のようすを観て本当に大切なものなのだと感じました。そして、つい忘れがちになってしまう両親や友人、先生や知り合いの人たちの存在とその繋がりの大切さを、これからは意識して日々生活していきたいと思いました。(3年)
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。 イントロであれだけコメディ風だったにも関わらず、最後の方になると重苦しさがどんどん増してきて、戦争の悲惨さが分かった。日頃テレビなどスクリーンを通して戦争について触れることはあるが、演じているのを直接見ることは初めてだったが直接ならではの迫力が感じられた。戦争を後世に語り継いでいくことが今の時代に生きる私達に課せられた使命だと改めて実感できた。貴重な経験をどうもありがとうございました。(4年)
最初に明るくて気軽な雰囲気を展開してくださってくれたおかげで親しみやすい演劇でした。のめり込んでいるうちに、本質である「戦争」の話に入っていて気づけば私は涙を流していました。周りに戦争を経験した方が少なくなった今、演劇によって苦しみ、悲しみを感じることができて、とても良い経験になりました。教科書に中では「東京大空襲」のたった5文字で終わってしまう出来事の中には、10万人のそれぞれかけがえのない人生があり、愛や助け合いの精神が燃えさかる炎の中に存在していることを知りました。「戦争」からは何も生まれない、その上愛が壊されるそれらのことをふまえながら今後の人生を歩んでいかなければならないと感じました。役者さんたちの熱い想いが私の心に届きました。良い演劇をありがとうございました。(5年)
私の祖母は東京大空襲の初期、東京にいて空襲がひどくなる直前に群馬に疎開してきたそうです。祖母から当時の話は何度も聞かされていますが、私は関係ない、という思いが心底あって昔話のように聞いていました。だから今回の講演も、"遠い昔の悲惨な出来事"と軽く捉え、そういう心構えでいました。しかし終盤にさしかかると、その迫力とリアリティーに圧倒されてしまいました。口頭で「悲惨だった」とか「忘れてはいけない事実」と言われても正直、重く受け止めていませんでしたが、実際にお芝居を見てその世界に入り込むことでよりその実態をつかむことができ、新たな知識を得ることができました。あれ程の惨事の中でも人々が助け合い、指揮をとり、励まし合う姿に感銘を受けると同時に、人間の強さとあたたかみを感じました。(6年)