1学年代表発表 (Multi-Cultures I): 日本の伝統建築

○研究の概要
長持ちしない現代住宅の環境への影響が懸念される中、日本の伝統的な古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば15年で100万軒も減少したそうだ。これを知り伝統建築について興味を持った私たちは世界の伝統建築を調査した。その結果まずその土地の自然を生かした建築はその土地で暮らす上で非常に過ごしやすいという事がわかった。加えて各地の気候に合った建築をしていて熱帯のインドでは大理石、カンボジアでは高床住居、乾燥帯のサハラ砂漠では土壁、冷帯のノルウェーでは草屋根を作っていた。それならば日本も気候に合った建築をしなくてはいけない。日本は、夏は湿度が高く冬は乾燥している。つまり湿度管理が重要になるのだ。古民家の木には湿度を保つ効果があることも林野庁の研究によりわかっている。私たちは古民家を大切にしていかなければいけないのだ。また古民家の「木炭」という知恵を現代住宅に応用することで寿命増加を見込むことができる。

〇研究の背景
Problem(問題の発見)
国土交通省によれば日本の家の寿命はイギリスやアメリカに比べて半分以下であるということがわかった。これは日本の現代住宅は気密性が高く冬でも温かい代わりに湿度が溜まりやすく木が早く悪くなってしまうことが原因だ。その一方日本の古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば10年間で100万軒減少していて日本の住宅は今大きな問題を抱えていることがわかった。
Plan(研究の計画)
伝統建築とはどのような物でどのような良さがあるのか、またその伝統建築の知恵などを調べ現代住宅に活かせないかどうか文献やWEBサイトなどで調査した。
Data(データの収集)
国(気候帯別)ごとにまとめた。日本 木をふんだんに使用。床下に木炭を埋めたり風通しを良くしたりする湿度対策。インド・カンボジア 大理石や高床住居などで暑さへの対策を強化。サハラ砂漠 土壁を用いて耐震性能、耐火性能、気温や湿度の調節などを行っていた。ノルウェー 保温性、放熱性の両方を生かし一年を通じて暮らしやすくしていた。
Analysis(分析)
各国では気候に合った建築を行っており日本も湿度調節にすぐれた家に住まなければいけないと分かった。また、その土地にある自然を利用した住居はその土地で暮らす上でとても優れていると分かった。そして日本の木は湿度調節に優れていることも分かった。
Conclusion(結論)
日本の古民家は日本で暮らす上で非常に優れていることからこれ以上減らしてはいけないという事がわかった。古民家に興味を持ち大切にしていかなければいけない。そして日本の古民家の知恵を現代住宅に活かせることが分かった。古民家に使われていた木炭は炭活用研究会によれば調湿作用に優れている。木炭を使って湿度が溜まりやすい現代の住宅の問題を克服すれば寿命を延ばすことができるので、環境にやさしいといえる。昔のように床下に埋めることは難しいが、複数のWEBサイトによれば部屋の四隅に置くだけでも効果があるという。それが本当なのか今後の課題としてこれからも研究を進めていきたい。