2018-3 Blog Entry List
FREAT: 食物アレルギー患者のWebサービスの開発
◯研究の概要
食物アレルギー患者のためのグルメサイト「FREAT」を開発している。Web上で動作するサービスである。この事業は、食物アレルギー患者が持つ外食する際に行ける飲食店が見つからないという課題を解決するために存在している。この課題に対するソリューションとして、FREATはアレルギー患者と患者のコミュニティ、飲食店の3つのプレイヤーをベースにした、新しいアレルギー患者の外食に特化した情報収集・提供手段を持っている。
現在は、CMF(Customer Market Fit)を、患者本人やお店にヒアリングをしながら検証している。検証は主に、仮説を立てる、ヒアリング、分析という3つのプロセスを1サイクルとして実施。現在は、アレルギー対応に取り組む飲食店やアレルギー患者、患者のコミュニティを中心にヒアリングを行っている。また、医師や管理栄養士などのその分野の専門家からも情報を得ている。
これをもとに考えたFREATのバリュープロポジションは以下の3点である。
本サービスは、人に教えてもらう感覚を提供することができる。アレルギー患者の飲食店へのタッチポイントは、圧倒的に人、とりわけ同じアレルギー患者との会話が多い。既存の飲食店情報サービスでは、豊富なデータベースを活用した情報提供がなされるが、アレルギー患者にも求められるUXは、質問すれば答えが返ってくるというような、人と人との会話のような感覚であると考える。2つ目は、本サービスが持つ新しい情報収集メソッドだ。患者のコミュニティには飲食店の情報が散在しているが、それがオープンな形で集約されていない。コミュニティ外部のユーザーの質問によって、これらの情報を引き出すことができる。ユーザーが該当地域にあるコミュニティに飲食店に関する質問(リクエスト)を送信することで、コミュニティのメンバーから回答(飲食店の情報)が得られる。そして、その回答に使用された飲食店の情報を自動でデータベース化することで、サイト上に情報を蓄積する。コミュニケーションの裏で情報の集約、蓄積を行う仕組みを持っている。3つ目に、患者同士のコミュニケーションの場として活用できる。既存のコミュニケーションツールで実施されているコミュニティにおける患者同士の交流を代替する場である。今後は、自分の住む地域においてクローズドにファンを生み出し、巻き込み、モデルケースとしてサービスの有効性を実証する。それをもとに、多様な地域にスケールアウトしていく考えだ。
4学年代表発表 (Global Studies II): グローバルビジネス
1 動機
グローバルビジネスに関する講義を受け、さらに、それに必要な人材についての講義を受け、グローバルビジネスでは様々な課題があることが分かった。そこで、現在、群馬県のグローバル企業に求められる制度や人材は何かに興味を持ったため、群馬県の強みを生かしたグローバル展開で想定される課題を解決する制度や人材育成について考えようと思った。
2 目的
群馬県内の企業が海外進出を目指しグローバルビジネスを行う際には様々な問題があることが講義を通して分かった。しかし既存の事業の課題を調べるのは難しいと考え、新たに群馬県の強みを生かしたグローバルビジネスを考え、想定される課題を考える。そのうえで、課題解決のためには、どのような支援・制度が必要か、求められるのはどのような人材かを考え、群馬県内でそれらの課題の解決を支援する新たな企業を考えることを最終目標とする。
5学年代表発表 (Global Studies III): 多文化理解を目指す教育
○研究の概要
「異文化理解」や「多文化共生」とは、文化の違いを認め、互いに尊重理解しようとする態度のことである。情報や人的物的交流が盛んになり、企業の海外での経済活動が加速するなど他の文化に接することが避けられない時代となった今、多文化、多様性の中での相互理解の必要性が唱えられる。このような現状を受けて私たちは、世界の人々の異文化理解をより促すためにできることを、教育の面から考えた。現在小中学校の国語の教科書で扱われる作品の原著発行国は限られている。日本人が世界に取り残されないよう、異文化への理解を得るためには固守的にならず新しい考え方を取り入れるべきだと考えた。そこで私たちは今回、それぞれ異なる複数の文化を経験している移民作家の文学を義務教育の国語学習に導入することを提案する。
移民文学の特徴とその教育への活用のメリットについて教えて頂くため、7月26日に立教大学異文化コミュニケーション学部、浜崎桂子教授のもとへ訪問した。移民文学に特有に表現されるものとして、2か国以上の文化を知っているからこその作者の悩み、日本語への異なる見方、個人の目線から見た文化の融合する様子などがある。訪問後、私たちは紹介を受けたうち4人の移民作家、ドイツへ移り住んだ多和田葉子さん、アメリカから日本へ渡ったリービ英雄さん、台湾出身の温(おん)又(ゆう)柔(じゅう)さん、在日韓国人の柳(ゆう)美里(みり)さんの作品を読んだ。言語をひとつの足掛かりに、複数の文化的価値観を考察したり、主人公が自らのアイデンティティを見つめなおす様子を描いたりしている内容で、生徒たちが多文化を知りまた生き方を考える参考になるだろうと考えた。実際読んでみると、作者の生い立ち等も並行して学んだほうが効果的と思われる文章だったので、最終的にそれぞれ一部分を抜粋し、小学校高学年から中学生向けの教科書の章として導入を提案した。
○今後の課題
引用した作品の一部を実際に対象の小中学生に読んでもらい感想を聞き、そこからより良い教科書にするための修正をしたいと考えている。今回は小学校高学年と中学生向けへの提案に留まってしまったため、今後、ストーリーをかみ砕いて絵本にするなどの工夫をしたり小さい子でも分かりやすい物語を探したりして、小学校低・中学年への提案も行いたい。また、日本以外の国々の教科書を調査し、原著発行国や作者の出身国の多様性とその国の人々の他文化への理解度との相関性を考察することで、教科書を改善することの有効性をより確かなものとしたい。
3学年代表発表 (Global Studies I): 清潔な水と衛生(国連のSDG #6)
概要
発展途上国に対する安全なトイレの供給方法を提案することを目的に研究を行った。(尚、第三学年WC科の最終目的は研究計画の作成であるため、この研究は計画と成果までの導入で終了している。)まず事前学習として、現在発展途上国では多くの人が屋外排泄を行っており、それにより「登校に負担がかかる」「体調不良になりやすい」などの深刻な問題を引き起こすということから、トイレ問題解決の必要性を確認した。研究の成果として、問題解決策の提案までのプロセスを踏んで研究を進めいくと、トイレを普及するための課題として資金不足、技術不足、資金不足が挙げられた。そこで私たちはpeepoopleという企業が開発している携帯用トイレを参考にして、日本国内企業の社会貢献活動の一環として、国際的慈善団体と協力した発展途上国への資金・技術支援により、現地での携帯用トイレの生産・消費を促すという解決策を提案する。さらに、この事業による現地の経済活性化を図ることで、将来的には水問題の解決による水洗トイレの設置を目指す。
1学年代表発表 (Multi-Cultures I): 日本の伝統建築
長持ちしない現代住宅の環境への影響が懸念される中、日本の伝統的な古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば15年で100万軒も減少したそうだ。これを知り伝統建築について興味を持った私たちは世界の伝統建築を調査した。その結果まずその土地の自然を生かした建築はその土地で暮らす上で非常に過ごしやすいという事がわかった。加えて各地の気候に合った建築をしていて熱帯のインドでは大理石、カンボジアでは高床住居、乾燥帯のサハラ砂漠では土壁、冷帯のノルウェーでは草屋根を作っていた。それならば日本も気候に合った建築をしなくてはいけない。日本は、夏は湿度が高く冬は乾燥している。つまり湿度管理が重要になるのだ。古民家の木には湿度を保つ効果があることも林野庁の研究によりわかっている。私たちは古民家を大切にしていかなければいけないのだ。また古民家の「木炭」という知恵を現代住宅に応用することで寿命増加を見込むことができる。
〇研究の背景
Problem(問題の発見)
国土交通省によれば日本の家の寿命はイギリスやアメリカに比べて半分以下であるということがわかった。これは日本の現代住宅は気密性が高く冬でも温かい代わりに湿度が溜まりやすく木が早く悪くなってしまうことが原因だ。その一方日本の古民家は総務省統計局土地統計調査結果によれば10年間で100万軒減少していて日本の住宅は今大きな問題を抱えていることがわかった。
Plan(研究の計画)
伝統建築とはどのような物でどのような良さがあるのか、またその伝統建築の知恵などを調べ現代住宅に活かせないかどうか文献やWEBサイトなどで調査した。
Data(データの収集)
国(気候帯別)ごとにまとめた。日本 木をふんだんに使用。床下に木炭を埋めたり風通しを良くしたりする湿度対策。インド・カンボジア 大理石や高床住居などで暑さへの対策を強化。サハラ砂漠 土壁を用いて耐震性能、耐火性能、気温や湿度の調節などを行っていた。ノルウェー 保温性、放熱性の両方を生かし一年を通じて暮らしやすくしていた。
Analysis(分析)
各国では気候に合った建築を行っており日本も湿度調節にすぐれた家に住まなければいけないと分かった。また、その土地にある自然を利用した住居はその土地で暮らす上でとても優れていると分かった。そして日本の木は湿度調節に優れていることも分かった。
Conclusion(結論)
日本の古民家は日本で暮らす上で非常に優れていることからこれ以上減らしてはいけないという事がわかった。古民家に興味を持ち大切にしていかなければいけない。そして日本の古民家の知恵を現代住宅に活かせることが分かった。古民家に使われていた木炭は炭活用研究会によれば調湿作用に優れている。木炭を使って湿度が溜まりやすい現代の住宅の問題を克服すれば寿命を延ばすことができるので、環境にやさしいといえる。昔のように床下に埋めることは難しいが、複数のWEBサイトによれば部屋の四隅に置くだけでも効果があるという。それが本当なのか今後の課題としてこれからも研究を進めていきたい。
Encouragement of the Practical Use of Fishery in Developing Countries
This paper reviews what we could do especially in the fishing industry to promote economic growth in developing countries. First of all, we have to check 49 developing countries to see if they satisfy conditions that are necessary for commercial fishing. We look at them from the aspect of topography, military situations, environment and religion. Then, three countries are selected based on the prerequisites. Thirdly, we discuss the present situations of fishing in the nations selected. Main problems of the existing industry in these areas are related to transporting and exporting. Finally, new ideas are offered to the countries referring to preferable transportation and sales process.
1 IntroductionThese days, the concern about foreign aid has risen as poverty and economic gaps between nations have been considered serious problems. In this paper, I have considered what we could do to boost income from commercial fishing to promote economic growth in developing countries. First, I chose three countries, each of which fulfills the conditions below.a) GDP is under the standard of $992 per person decided in the United Nations in 2012.b) It is capable of fishing. I made three prerequisites on my own.-faces a sea-does not have any outstanding war, natural disasters or infectious diseases-has comparatively few religious taboo against seafood. The countries selected are Guinea-Bissau, Madagascar, and Togo.
地球市民育成プロジェクト 各学年代表の研究レジュメ
SGH講演会
戦争を始めた国のトップ同士がメディアの前で和平同意の書類にサインをしているところは見たことがあるが、その国の後のことや昨日まで戦っていた兵士たちのことは考えたこともなかったし、メディアでも報道されているところは見たことがないので、いかに日本の報道に偏りがあるかや自分のニュースをはじめとするメディアに対して受け身だったかを痛感した。
知らない間に世界では様々な紛争が始まっては終わることを繰り返しており、死亡者数難民避難民がどんどん増えていることに恐怖と驚きを感じた。まずは受け身であることから抜け出さない限り正しい世界の状況は分からないということだった。
武力による紛争において、解決すべき課題は、紛争を終わらせること、国際社会でいう国と国がメディアの前で仲良く握手することだと思っていた。しかし、紛争による被害はその後にもたくさん転がっているのだと気づかされた。例えば、紛争中兵士として生活を成り立たせていた人々の社会復帰。このための支援を武装解除という。私はこの働きについて全く知らなかった。そして「紛争」というたった二文字の言葉の中にどれほど辛く苦しい思いをしている人々がいるのかととても悲しくなった。それだけではない。紛争における加害者と被害者の関係、難民、子供兵。あまりの課題の多さに目の前が真っ暗になる。
しかし、これも私の中で誤解があった。すべてがすべて悪い方向に進んでいる訳ではないのだ。シエラレオネでは課題解決に向けた取り組みの成果が出て最近20年は紛争のない平和な日々が続いている。メディアの恐ろしさを感じた。
平和は先進国の支援だけでは実現しない。民族間の協力はもちろん、自立を促すことが必要だ。私は将来国際協力に関わりたいと思っている。そのために、まずは自分で行動し、興味を広げていきたいと思う。
以前瀬谷さんの本を読ませていただいていて、尊敬していたので、今日はお話が聞けてうれしかったです。知っていた内容もいくつかありましたが、また新しいことも知れたので良かったなと思います。そして何といっても印象に残ったのが瀬谷さんの優しい物腰や話し方です。紛争地でもその話し方を使って平和構築への話し合いをしているかと思うとすごいなと心からつくづく思います。「自分の存在がなくても大丈夫になったとき、一番仕事のやりがいを感じる」という言葉がとても心に残りました。自己中心的に考えるのではく、本当に紛争地を思って仕事されている姿が本当にかっこいいと思います。
小さなことからでも1歩踏み出すことが大切ということを忘れずに、これからも自分の夢に向かって頑張っていこうと思います。貴重な講演本当にありがとうございました。
今回の講演を聞いてまずは「紛争」について考えることができました。紛争は私たちも経験したことのあるケンカを広い意味でいうものだということに驚きました。それがうまくまとまらず暴力、武力につながったとき、ニュースなどで見る“悪い戦争”になると分かりました。日本はいま平和が戦後から73年間続いていますが世界(特に中東、アフリカ)では、戦争が550~600くらい起きていて私も目をそむけてはいけないと感じました。紛争を解決するために、また平和を築くためには対立している人々の和解がカギだと分かりました。でも人間には、様々な感情もあり和解させるのはとても難しく、思考することが大切だと思いました。世界で多数の戦争が起きていて目をそむけてはいけないと思いましたが、実際私にはどうすれば良いのかははっきり分かりません。でも、だからといって紛争を見て見ぬふりはせず、国際問題として自分の中にとどめておきたいです。また、瀬谷先生の進路について聞いて、私も今何をしたいのかよく分かっていないのでちゃんと考えなければいけないと強く思いました。「私には人生を自由に切り開く権利をもっていて、その選択には期限がある。」という言葉は忘れずにしたいです。もし、興味をもったことややりたいことが見つかったら、すぐに調べてそのチャンス1回1回を大事にしたいです。今回の講義は地球市民としての世界平和を築こうとする意志と自分に与えられた将来を切り開くチャンスの大切さを知ることができ良かったと思います。
私は今まで「紛争」が起きていることは知っていたが、正直他人事みたいに考えていたので、今回の話を聞いて少し自分のこととして興味をもてた。まず、紛争というのが複数の人の間の意見の違いによる争いで私たちも経験していて、でもその小さな争いが発展してしまって大きな紛争になってしまったと初めて知った。授業や課題で食料などの支援も大事だが、現地の人への技術の伝承や人材の育成など継続できる支援をすること(ESD的)が大事だと知っていたので同じだと思った。また、紛争により亡くなった人の具体的な数値や現地の写真を見て改めて紛争のひどさを感じた。講師の方も私たちと同じような1人の学生で、でも自分のやりたいことを押し進めて諦めなければどんなすごいことでもできると分かった。与えられる情報をそのまま受け止めるのではなく「自分から知る」ことが大切だと分かった。将来のために、今から自分の興味のあることややりたいことを少しずつでも考えてそれを実現するためにやるべきことを知り、できることから実行してゆくことで自分の人生を切り開いていけることが分かった。決まっている道がなければ諦めるのではなく、自分でつくっていくという発想で考えていきたいと思った。